通常、痛みを感じた時は
脳が情報処理をして修理するよう指示が出ます。
しかし何ヶ所も痛みがあると、脳は情報処理が大変になります。
痛みの情報から、修復すべき優先順位を決めたり、細菌や毒素などの問題を感知したり、命に関わる問題か判断したりと
様々な仕事を脳は行います。
ですが仕事量が多すぎると
『もう全部痛いってことで、いいよね』
となります。
痛みの情報処理をサボるのです。
(全部痛ければ、無理しないでしょ!)
と脳は思っています。
これが脳の過敏性です。
動物であれば、この仕組みは問題ありません。
なぜなら動物は全身痛くて寝ることしか出来なくても、それ以外の思考をしないからです。
しかし人間は違います。
全身痛い時は、あらゆる思考が巡ります。
なぜ?なんで?どうして?
あれが悪かったのか?もっと他に治す方法は?
これらの思考が、脳に負担をかけます。
情報処理が辛くて脳が痛みに過敏になったのに、追い討ちをかけるように思考が脳に負担をかけます。
この状態は脳がフル回転の状態です。
負担がかかりすぎた脳の行き着くさきは2通りです。
思考が出来ないくらい強烈な痛みを感じさせるか
もしくは強制シャットダウンです。
強制シャットダウンは気絶に近いような形で寝てしまうことを言います。
2択のうち超激痛を選んだとしても結局、その先は痛みのせいでシャットダウンします。
シャットダウンしちゃえば痛みから解放されるから楽なのでは?
と思うかもしれません。
しかし、シャットダウン中は身体の修復ができません。
そしてシャットダウンから目が覚め再起動された時に、身体の問題を忘れてしまうのです。
このような仕組みの繰り返しで、線維筋痛症の方の身体の中では、異常に痛い部位、感覚が鈍くなっている部位、変に庇う動きなどが現れます。
ではどうしたら、この超激痛やシャットダウンを回避できるのでしょうか?
ポイントは脳の回転を遅くすること
脳の回転を遅くするためには、当たり前のことをゆっくりと行います。
例えば、
・時計の秒針の動きに合わせてカウントする
・目の前の文字をゆっくり読む(アルファベットとかがオススメ)
・カウントしながら深呼吸
・手の指の数を数える
実はこういった脳の回転を落とす作業が苦手な線維筋痛症患者さんは多いです。