線維筋痛症100の質問 Q13. 遺伝的な傾向はあるのでしょうか?

線維筋痛症

線維筋痛症の患者さんには、激しい痛みへの反応に影響を与える自律神経系や中枢神経系の障害を発症しやすい遺伝的素因があるとする説があります。

もう一つは、線維筋痛症に見られる親子関係から発展した説です。

ある研究では、線維筋痛症患者の近親者において、線維筋痛症の有病率が高いことが証明されています。また、別の研究では、線維筋痛症には常染色体優性遺伝が存在することが示されています。

優性遺伝とは一方の親からの異常な遺伝子が病気を引き起こす可能性があることを意味します。

異常な遺伝子は、2つの遺伝子を「支配」しています。もし片方の親が優性遺伝子の異常を持つ場合、子供に遺伝する確率は50%です。

別の研究では、5%から10%の確率で遺伝すると報告されており、線維筋痛症の遺伝子がHLA領域と関連していることを示唆しています。

また、別の研究では

アルコール依存症やうつ病の家系に多いという説もあります。

線維筋痛症と圧痛閾値の低下は、家族内で強く集約されることが示されています。

他の研究では、セロトニン輸送体遺伝子と、カテコールアミンを活性化するカテコール– O-メチルトランスフェラーゼ酵素の特定の多型が明らかになりました。

補足→カテコールアミンとは・・・

引用元: 看護ruu!

カテコールアミン(catecholamine)とは、副腎から合成・分泌される神経伝達物質の総称である。副腎の異常によってカテコールアミンが過剰に分泌すると、重度の高血圧や過度の発汗、動悸、頭痛などが起こる。また、精神的にも興奮し、パニックに襲われたような感覚に陥りやすい傾向がある。逆に、カテコールアミンが不足すると、心身の脱力感や意欲の低下が起こり、抑うつ状態を招きやすくなる。

【3種類のカテコールアミン】
■アドレナリン
副腎にて分泌されるカテコールアミンのうち、約80%を占める神経伝達物質である。ストレスを感じた時などに交感神経を活発にさせ、心拍数や血圧上昇、発汗を促し、ストレスから体を守る。

■ノルアドレナリン
アドレナリンと同様、ストレスを感じた時に分泌される神経伝達物質で、交感神経を刺激する。ノルアドレナリンは、末梢の血管を収縮させて血圧を上昇させる。

■ドーパミン
中枢神経系に存在し、感動や快感、意欲に関係する。パーキンソン病や統合失調症などとも深く関わると考えられている。